『無垢フローリング』で検索をかけると、飛び込んでくるのは『後悔』『デメリット』『やめとけ』と言ったネガティブワード。
逆におすすめ情報のほとんどが、販売工務店やメーカーの販売ブログばかり。
いやこれ、マジでデメリットばかりなのか?
今回は、新築で無垢フローリングを採用したうちの事例をもとに、新築時~5年目の変化と状況を紹介していくよ!
無垢フローリングはおすすめ?やめといた方がいい??
これは前提条件によって変わってきてはしまうけど、うちに限っては正解でした。
すべての人に『おすすめ』はできないけど、メリットもたくさんあるとお伝えしたい。
無垢フローリングの最大のメリット
なんと言っても、はだしで気持ちがいい!!
今の家に住む前はマンション暮らしでした。
マンションはもちろん合板のフローリング。
見た目はつやつやできれい、傷もつきにくいんだけど冬は冷たく、夏はべたべたするためいつでも基本はスリッパが必要でした。
それが、無垢フローリングはほんのり暖かい。もちろん床暖房とかじゃないですよ。自然のぬくもりが感じられるんです。
夏は逆にひんやり、べとべと感は全くありません。
これは無垢材のもつ特徴、調湿作用のため。
床に何もしかないで、直接寝転んでも気持ちがいいんです!
そして、合板では絶対に感じられない、木の香りが家じゅうに充満します。家の中がいつでも森林浴のようです。
これだけで、無垢のフローリングにしてよかったと自信を持って答えられます。
無垢のフローリングはどうやって設置する?
注文住宅なら、設計の段階で床材を選ぶときに『無垢のフローリング』を選べばいいだけ。
リフォームで現在の床を無垢材に変えることもできます。
見積もりだけなら無料でできるから、どのくらいの予算でできるのか調べてみるのがいいですよ。複数の見積もりを取って安い業者を探そう。
無垢材フローリングは対応していないメーカーと、得意としているメーカーに分かれるから、いろいろ調べるのがおすすめです!
予算は合板に比べると若干高いが、杉の無垢材ならそんなに料金が跳ね上がるようなことはないと思う。
木材はピンキリなので、いい材を選べばいくらでも高いものはあるし、無垢材の施工を得意じゃない工務店にお願いするとトラブルの元です。注意しましょう。
その点、うちが建てた注文住宅のメーカーは地元の木材を100%使用した、地産地消の地元工務店。
オプションで無垢フローリングを決めたのではなく、標準が『無垢フローリング』というちょっと変わったハウスメーカーだった。
家を建てるときのイメージが『天然木をふんだんに使用した家』だったので、それほど悩むことなく無垢材に決定したんだけど、
それでも、無垢にするか、普通のフローリングにするかは、建築前には色々な体験談·レビューを読んでメリットデメリットの情報収集をしたゾ。
床材は無垢・合板どっちがおすすめ?
一般人の評価
おススメする 4割 : おススメしない 6割
検索した感覚としては上記のような感じ。
正確にデータを取ったわけではないけど、オススメしている上位は無垢のフローリングを販売している工務店ばかり、一般人ブログの多くが否定的なものが上位にある印象だ。
合板材は確かに、安価な割にローメンテナンスできれいを維持できる。
無垢のフローリングは、傷は付きやすいし、日当たりの状態でムラも出やすい。
だけど、うちではメリットのほうが大きいと判断して採用を決めたぞ。
何を重視するかはそれぞれ違うので、デメリットが許容できるものであるか、よく検討するようにしよう。
無垢材フローリング
- メリット:肌触りがいい・香りがいい・調湿効果
- デメリット:傷がつきやすい・水に弱い・シミ色むら・材が縮む・値段が高い
合板フローリング
- メリット:見た目がきれい・経年変化が少ない・ローメンテナンス・安価
- デメリット:一度傷つくと修理が大変。夏べたべたする。
無垢フローリングには『蜜蝋ワックス』がおすすめ。
うちで採用している無垢のフローリング材。素材は『杉』。
無垢のフローリングにはいろいろな材がある中でもっとも一般的。まあ、一番安い材でもある。
とはいえ、杉材が悪いかというとそんなことはない。
確かにチーク材などは重量感があり、杉に比べると耐久性・耐水性に優れる特徴がある。
比較材『杉』は、柔らかく傷がつきやすいかわりに、柔らかくて肌ざわりが良く、素足で歩いても快適です。
そして、『無垢フローリング』最大の欠点ともいえるのが、水に弱いこと。
水をこぼしてしまうと、床がその水を吸収してしみになってしまう。
その対策として、通常、床には『ワックス』を塗るのだけど、無垢のフローリングにこれはおすすめしません。
普通の床ワックスとは?
普通のワックスの原料は合成樹脂、つまりは石油から作られたプラスチックの一種。
これを床の表面に塗ることで、木をプラスチックのようにつやをもって水をはじく素材に変えている。
しかし、これでは無垢材の利点である『木のぬくもり』『調湿作用』といったものをすべて無効化してしまいます。
では、無垢材のフローリングには何を使えばいいのでしょうか?
無垢材には天然のワックスを
そこでおすすめなのが、うちでも使用している『蜜蝋ワックス』
蜜蝋(ミツロウ)とは、ミツバチが作る六角形の巣の原料。
化粧品などに使われるくらい安全性が高く、肌にもやさしい。
それを原料として作られたワックスが『蜜蝋ワックス』なのだ。
合板材のフローリングに使うワックスは、その表面をコーティングしてつやを出すのに対し、蜜蝋ワックスは材の繊維の中に浸透して膜を作ります。
そのため、通気性や柔らかい肌触りを残したまま、ツヤを保つことができるようになるんです。
調湿作用などは残したままなので、水をこぼせば吸収してしみになったりする場合もあるが、未使用の場合に比べれば水に対してもかなりの耐性を持つようになるぞ。
本来なら、使用頻度の高いリビング・キッチンなどは、半年~1年に1回塗りなおし。
それ以外の場所は2~3年に一度の塗りなおしをすることが推奨されているけど、うちではリビング以外5年間塗りなおししていないです。
それでも、ツヤは結構残っていてきれいな状態を保ってますよ!
後半写真を載せて解説しています。
蜜蝋ワックスの注意点
ミツバチの巣を原料に作られる天然素材で、安心の蜜蝋ワックスですが、塗装するのはちょっと大変だったりします。
蜜蝋ワックスの塗り方は、
- 少量の蜜蝋ワックスをスポンジに取る。
- 薄く広げながら、塗り込んでいく。
- 最後に清潔な布で余分なワックスをふき取る。
これを繰り返していかなければならない。動画で詳しく解説されています↓
無垢フローリングの塗装剤としては、蜜蝋ワックスのほか、オスモカラーが有名。
こちらも天然素材で安心して使えます。ただ塗り込みの大変さは同じくらいです(^_^;)
無垢フローリングに向くのは、どんな家族?
家の中の設備でも、かなりお気に入りの「無垢材フローリング」
しかし、誰にでもおススメできるわけではない。
無垢材フローリングに向くんじゃないかな、と思う家族の特徴は以下の三つ
- 子供がいない家族
- 多少の傷は気にならない家族
- 変化を味だと許容できる家族
・・・などが考えられる。
詳しく解説していきます。
子供がいない家族
無垢材フローリングは柔らかく、ものを落としたりすれば確実にへこみや傷が発生します。
こどもがおもちゃで遊んだり、ものを落とすたびに『ああ!床が傷つく!!』と叱っていたら、まともに生活できません。
無垢の床が傷つくのが許せないなら、小さいお子さんがいるうちは普通のフローリングの方がいいかもしれません。
まあ、それでも傷だらけにはなるんだけどね(^_^;)
多少の傷は気にならない家族
子供がいて、床を傷つけてもたいして気にしないなら、本来は子育て世代にこそ『無垢材フローリング』はおすすめしたい。
こどもが家の中でハイハイしたり、遊んだりするなら、やはり肌に優しい素材がいいですよね。
こどものためなら、多少家が傷ついても構わないと思えるならおすすめです。
変化を許容できる家族
傷は傷として、床の色が変化してもそれを『味』として変化を許容できるなら、無垢のフローリングは非常におすすめ。
無垢のフローリングなら、多少の傷は自分の手で修復することだって可能だ。
年とともに床も変化していく。それを楽しんで生活できるなら、無垢のフローリングは非常におすすめできる。
いつまでも新築と同じ状態を維持したい!
そう考えるなら無垢のフローリングはおすすめしないです(^_^;)
無垢フローリングをオススメするわけ、まとめ
ネガティブな記事も多い中でも『無垢のフローリング』をおすすめするのは、デメリットを上回るメリットが存在するから。
以下におすすめの利点をまとめてみた。
- 圧倒的な木の香り:1年以上木の香りが感じられます。
- 冬暖かく、夏涼しい:自然の調湿作用で過ごしやすい空間になります
- 素足で歩いてもベトベトしない:素足が一番気持ちいい。うちの子たちは一年中はだしです。
- 自分の手でメンテナンス可能:小さな傷は自分で簡単に修復可能。
これだけ利点があれば、多少の傷は許容範囲だ。
無垢フローリングで5年生活してみて、
ここからは実際に5年間、この家で生活しての無垢のフローリングの変化を比べてみた。
書斎
いつも仕事をする、畳2畳分のぼくの城(^_^;)
ほとんど太陽の光ははいらないので、色の変化は少ないけど、キャスター付きのイスのせいでぼこぼこです。
蜜蝋ワックスは新築時1回塗っただけ、でも艶はまだけっこう残ってますね。
2階子供部屋
うちは部屋割りが特殊なので、子ども部屋専用ってわけではないけど、子どもがおもちゃを広げて遊ぶスペース+廊下のような場所。
こちらも艶はしっかり残っています。傷については大きいもの以外は放置ですね(^_^;)
寝室
それほど強い光も当たらず、基本的に寝るときしか利用しない部屋だけあって、最もきれいな床を保ってます。
リビング
うちで最も日当たりがよく、使用頻度も高いスペース。
子供たちは2枚目のあたりに座ってテレビを見ていることが多いです。
リビングは1年に1回くらいの塗りなおしをしてるけど、色あせはヤバイですね(^_^;)
上記の写真は2年近くワックスをさぼった状態なので、かなりひどい方だと思います。
『こんな床、我慢できない!!!』
と思った方は、普通のフローリングにした方がいいかもしれないですね。
ここのところお手入れをさぼっていたので、ここいらで一度しっかりときれいに仕上げなおしたいと思います。
きれいな床になったらまた紹介しますね。
一年中素足で過ごせる床での生活は快感だぞ!
無垢フローリング仲間が増えるのを楽しみにしているよ。