バックアップ取ってますか?
忘れているかもしれないけれど、ハードディスクドライブ(HDD)は消耗品だ。
その寿命は5年程度もいわれており、使い方や管理が悪いと、早い場合は1~2年で破損することもあり得る。
このデジタルの時代、データは命。
パソコン本体の中にあれやこれやとデータをため込んだままにしてる人多いんじゃないかな。
そんな人に、今回は背筋が寒くなる恐怖のお話デス。
データ消失は突然に
「バックアップが大事だって、話には聞くけど面倒くさいからあとでいいや・・・」
そんなこと考えていないか?!
それは、非常に危険な考えだゾ。
この令和の時代、写真、動画、各種書類などのほぼすべてが『データ』としてハードディスクの中で管理される現代。
そのハードディスクに万が一のことがあれば、データは永遠に失われてしまいます!
私の実体験、ハードディスクエラー
当時、私は家庭内のデータを一元管理するためNASを利用し、家じゅうのデータを1テラバイトの外付けハードディスクで管理していました。
ちなみにNASとはネットワーク接続ハードディスク(Network Attached Storage)。LAN・Wifiでつながった機器が自由にアクセスして保存・再生ができる外付けハードディスク(HDD)のことだ。当たり前のことだが、紫の野菜ではない。
スマホで撮った写真を保存しておくのにも、一眼デジカメの写真を整理するにも非常に便利だった。
そこにはほかにも、会社の資料・過去の家族写真・録画したテレビ番組など、ありとあらゆるデータがそのハードディスク1台に集約されていた。
そして運命の日。
新しく家を建てて、マンションから引っ越しを行った一か月後のこと。いきなりハードディスクにアクセスできなくなってしまった!
原因はわからない。
すでに5年以上使用していたHDDの寿命だったのか、毎日データが読み書きされることで負荷が大きかったのか、はたまた引っ越しの際の衝撃で物理的破損があったのか…
とにかく、一瞬にしてすべてのデータを失ってしまった。
データのサルベージコストはめちゃくちゃ高い
失ったデータのうち、会社の資料はあくまでコピー。原本は会社で管理しているので問題はなかった。
動画もどうでもいいテレビ番組ばかり、なくなっても問題はない。
しかし、問題なのは家族写真。
これだけは何とか救い出したい。
ハードディスクが壊れたとき、もっともやってはいけないこと
ハードディスクが破損したときにもっともやっていけないこと、それは無駄なアクセス。
物理的にハードディスクが壊れたのでなければ、データはまだ中に残っている。
多くの場合、データの場所を示す情報が破損したり、部分的なエラーで読み込めなくなっている場合が多い。
この段階なら、データ復元業者に持ち込めばかなりの確率でデータを取り出すことが可能だ。
ただ、エラーが発生している状態で無理なアクセスを繰り返すと、情報が上書きされ、残っているデータも取り出すことが困難になってしまう。
必ず助け出したいデータがあるなら、すぐに電源を切って新たな書き込みが行われないよううにすることが重要だ。
その上ですぐに専門業者に依頼をしよう。
上記のデジタルデータリカバリーなら、24時間365日相談を受け付けている。
見積もり相談無料だから、まずは一度相談してみるのがいいだろう。
ただし、それなりの金額は覚悟しておこう。
いちよ予算は価格は3万円から~とはなっているが、実際は10万円以上は想定しておく必要があるゾ。
あまりの高額に、データのサルベージはあきらめる
見積もりしてみたものの、データは惜しいが、あまりにも高い。
確かに、思いではお金で買えないのだから仕方ない部分もあるが、幸い画像についてある程度はCDRにバックアップを取ってあった。
また、この時はまだGoogleフォトが容量無制限であったこともあり、すべての写真がGoogleフォトにバックアップされていたのも助かった要因。
参考リンク→:こどもの写真どうしてますか?googleフォトの便利な使い方と「みてね」との連携。写真のバックアップと万が一の復元方法
無事に家族の思い出は守られたのだ。
いくつかのデータ復旧ソフトも試してみたが、残念ながらうちの場合は物理的に破損してしまっていたため、サルベージすることができなかった。
データ復旧ソフトを使う場合も、できるなら有料で信頼のおけるソフトをお勧めする。
復旧ソフトを繰り返し使用することで、助かるデータを傷つけてしまう危険があるからだ。
すべて無事とはいかないかもしれないが、かなりの確率で救出することが可能だ。
その上でやはりだめならば、業者に依頼するかを検討するといい。
家庭のデータバックアップにはハードディスクRAID1運用がおすすめ
この時は、ハードディスクの回復はできなかったが、重要なデータは各所からかき集めることで何とか復元することができた。
近年はハードディスクの容量も増えてきているので、バックアップを取るだけでも一苦労だ。
そこで、重要なデータのバックアップにはハードディスク2台でデータを保存する「RAID1」対応のハードディスクを使用するのがおすすめだ。
うちでも利用しているメインHDDはバッファローのリンクステーション。
LAN接続で家庭内すべての機器からアクセスが可能なだけでなく、この本体には1TのHDDが2台搭載されている。
ハードディスクの構成
ハードディスクが2台搭載されているので、通常であればパソコン上から見ると2台のハードディスクが認識できる。
ただこのリンクステーションはRAIDという機能を搭載している。
RAIDとは、複数のHDDをひとつのドライブのように認識・表示させる技術。
例えば1TB容量のHDD、2台を1台と認識させることで、2TBのハードディスクとして認識させることができる(RAID0)
ただこの場合、どちらか一個が壊れるとすべてのデータが呼び出せなくなってしまうのであまり意味はない。
利用するのは、同じく1TB容量のHDD、2台を1台と認識させるのは同じだが、今度は2台に全く同じデータを書き込み、常に同じ情報のハードディスクを2台用意するという方法だ。これをRAID1という。
もっとたくさんのHDDを組み合わせるRAID2以降もあるが、一般家庭では2台のHDDを使用するRAID1で十分。
万が一1台のHDDにエラーが起きても、データはもう一台の中で維持されるという訳だ。
RAID1のデメリット
データのバックアップには非常に便利なRAID1だけど、デメリットもある。
まずは、使える容量が半分になってしまうこと。
同じハードディスクを2台使うのだから、実際に使えるのは1台分の容量にしかならない。
そして、データのコピーを常に行うことで通常よりも転送速度が遅くなることだ。
もちろん、本体の価格も単に外付けするだけのHDDに比べたら値段も高くなる。
さらに、万が一壊れてしまったハードディスクはメーカー指定のRAID対応ドライブを用意する必要がある。実際にはそれ以外のHDDでも交換可能だが、メーカーとしては推奨していない。
でも、これらの欠点を補ってもあまりあるくらいに安心感は高いゾ。
RAIDハードディスクの注意
よし、家のデータバックアップにRAID1のハードディスクを始めよう。
そう思った方に先に注意しておく。
一度設定してしまえば、普通のハードディスクと同じようにしようできるが、重要なのはいざ問題が起こった場合だ。
RAID1で運用しているハードディスクは、万が一問題が起こってもデータの呼び出しには問題がない。
もちろんそのためのシステムなのだから当たり前だが、よく考えてほしい。
RAIDのために同じとき、同じ型のHDDを2台、ほぼ同じ運用を行っているわけだ。
それは、1台壊れたらもう1台も壊れる可能性が非常に高いということだ。
しかも、使用する分には普通に使えてしまうのだから、1台めの故障に気づかず使い続けてしまう危険性がある。
RAID式のHDDを使用する場合は、必ずメーカーが提供する管理ソフトを使用して、異常があった時はすぐに対応できるように気を付けておこう。