やったぜ、今年もお年玉たくさんもらったぞ。あれ買って、これ買って。ああ、あれも買えるな。
ぼくは将来のために貯金しおておくよ。ママ、銀行に預けておいて。
両極端なうちの子供たち(^_^;)
普通はジロウのように、無駄遣いしないで貯金するのがいいとされるけど、これからの時代はそれが正しいとは言い切れないかもしれない。
なぜなら、これからお金の価値はどんどん下がっていくことが考えられるからだ。
お金の価値が下がるとはどういうことか?その秘密を見ていこう。
国の目標はインフレ年率2%が目標
『インフレ』とはどういうことかというと、簡単に言えば商品が値上がりすることだ。
例えば、昨日まで1回300円だったガチャガチャが、今日から1回600円になったとする。
この時、商品が同じものであるなら、ガチャガチャの価値は同じ。
つまり相対的にお金の価値が下がったから、同じものを買うのに2倍のお金が必要になったと考えることができる。
この現象が『インフレ』こと『インフレーション』
いろいろな条件があって日本のお金”円”の価値が下がることでインフレが起こるんだけど、日本では国の政策としての目標を『インフレ年率2%』としている。
つまり、お金を持っているだけで一年に2%ずつ減っていくということを目標としている。1万円持っていたら毎年200円ずつ減っていくイメージだ。
銀行に預けても増えない貯金
銀行に預けていても利息は2020年現在「0.001%」しかつかない。
これは10万円預けても、1年でつく利息は1円!ほとんどないようなもの。
それに対して日本のインフレ率は2019年は目標の2%に届かないものの、0.99%だった。だいたい1%だね。
10万円預けてるとすると、千円減って、利息が1円。
999円マイナスだ。
そう。2019年はお金を銀行に預けていただけで、10万円あたり999円マイナスになったと考えられる。
インフレの時はお金を持ていてもどんどん価値が下がっていくから現金で持っているのは損になるんだ。インフレ率に合わせて利息も増えればいいんだけど、今のところその気配はない。
インフレ率2%でお金の価値が下がると、35年で半分の価値になる。
もし仮に、日本の政策が超うまくいって、毎年2%インフレしていったとすると、お金の価値はどう変わっていくのか?
上の表は2%のインフレが続いた時の日本円の価値だ。35年後の1万円は今の5千円程度の価値しかなくなる。
今1万円の商品も、35年後に買おうと思ったら2万円出さないと買えないってことだ
そんな馬鹿なことあるわけないよ
いやいや、実際に今の1万円は100年位前の明治時代の価値に換算すると、200万円くらいの価値があったんだ。
明治30年代はアンパンが一個1銭(1円の1/100、100銭で1円)だったというから、1円あったら100個ものアンパンが買えた計算になる。
今では1円では何も買えないよね。
明治時代ならぼくのお小遣いでも大金持ちだな。明治に生まれたかったよ。
明治時代はお小遣いも少ないんだよ
インフレとデフレ
パパのお年玉も半分になった?
いや~、パパは貯金ってできない子供だったからなぁ…
お金の価値が下がる『インフレ』とは逆に、お金の価値が上がる『デフレ』というものも存在する。
日本の経済はここ20年くらいは、ずっと『デフレ』だったんだ。
だから、パパの貯金はたいして減ることはなかった。
というか、もともとほとんど銀行にお金が入ってなかったから、あまり関係はなかった(;´Д`)
デフレ
インフレの反対の現象で、お金の価値が上がり、ものが安くなる現象。
安くなるのはいいことだよ!ママもいつも安いおかず探してるもん
それはパパの稼ぎが・・・
いやいや、そういう話ではなく、ものが安くなるのは良いことばかりじゃないんだ。
⇒ものが安くなると、そのものを作っている人の収入が減る。
⇒その人がほかの商品を買うにも、収入が減っているので安いものしか買わない。
⇒安いものしか売れないから、商品の価格はもっと下がる。
⇒収入が減ると、もっと安いものしか買わなくなる。
⇒モノの値段がもっと下がって、その人の収入はもっと減る。
この繰り返しで、どんどん物が安くなる=お金の価値が高くなる現象を『デフレスパイラル』というんだ。
阿部総理大臣がかかげた経済政策『アベノミクス』が始まるまで、日本は本当にこのデフレスパイラルにはまって、不景気な時代が続いていたんだ。
コロナによる大規模金融緩和と日本の未来
やっぱり、お金は使ってしまう方がいいね!
確かに、ただ貯金していても増えることはないけど、使っちゃったら何も残らない。お金はためて、守って、増やしていくことが大切。
お金の増やし方は学校では教えてくれない。自分のお金は自分で守るしかないんだ。
アベノミクスの効果で、景気が回復していた日本だが、2020年、世界的なコロナウィルスによるパンデミック(病気の大流行)で世界中でお金の流れが滞る。大不況が来るといわれている。
お金は人間の体では「血液」にたとえられる。
なかったらもちろん問題外だが、一か所にとどまっていてもダメ。
常に体中をめぐることで、初めてその力が発揮される。
コロナウィルスによって受けたダメージを回復するため、日本やアメリカは多量のお金を増やして無理やり経済にお金が巡るように働きかけているんだけど、これはどんな副作用が起こるかわからないんだ。
早くからマネーリテラシー(お金を正しく理解して活用する力)を学べば、大金持ちは無理でも、お金に困らない小金持ちくらいにはなれるぞ。
イヤ、ぼくは大金持ちになるね!
ぼくもなる!
お金の勉強に早すぎるということはない。将来のためにもこれからもパパと一緒に勉強していこうね。