近年、義務教育でプログラミングが必修になると決まってからというもの、各所で話題ですね。
でも、小学校でプログラミングって必要なのか?
英語はわからないでもないけど、プログラミングなんて、好きな子が勝手に覚えればいいような気もするけどね。
なんだか、いろいろと問題も指摘され始めている日本の教育。
私の希望としては、もっと税や金融のことについて教育する機会を増やしてもらいたいものだ。
いろいろな意見がある中でも、小学校の義務教育で教えてほしかったと思うものの一つが、電卓(計算機)の使い方。
あなたは正しく電卓を使うことできますか?
電卓(計算機)の使い方
使えるに決まってるじゃん!数字と「+-」のキーを押して最後に「=」押せばいいんだよ。
確かに。
足し算引き算、掛け算割り算はそれで構わない。
でも、電卓をよく見て見よう、数字と演算記号以外にも見たことのないボタンがあることがわかるはずだ。
これらのキーの意味を理解して、電卓の機能を使いこなせている人って、どのくらいいるんだろう?
私たちが学校で習ったのは「そろばん」だけで、電卓を授業で使うことはなかったと思う。
平成14年度の学習指導要領の改訂で、小学校でも電卓を使用した授業も行われるようになったみたいだけど、詳しい使い方まで指導するかどうかは、先生によるみたいだ。
電卓は単に計算が楽になるだけではなく、たくさんの機能を使いこなせばもっと楽に色々な計算ができるようになる。
電卓は超便利な小さなコンピューターだ。
電卓を使いこなす知識は、大人になってから最も役に立つ知識なんじゃないか、とすら思うよ。
今回は電卓の知っていると便利な機能から、普段はあまり使わないけど、ちゃんとした電卓にはついている便利なキーなど、電卓の使い方を解説していくぞ。
電卓の使い方1、四則演算
四則演算とは、足し算・引き算・掛け算・割り算のこと、説明書なんか読まなくってもこれはできるかもしれない。
でもこの基本的な計算ですら、知っているだけで計算が早くなる便利な機能があるんだ。
定数計算
「定数計算」とは、同じ数字を複数回にわたって計算するときに便利な機能だ。
例えばこんな問題。
例題1)時給750円のアルバイト、A君は20時間、B君は60時間、C君は35時間働いた。それぞれの給料はいくら支払えばいいか?
通常は、
- A君 750x20 =15,000
- B君 750x60 =45,000
- C君 750x35 =26,250
と、ひとつづつ計算するけど、多くの電卓には「定数計算」という便利な機能がある。
例題1だと、
A君 750xx20 =15,000 ←「x」を2回押すことで画面上に『k』と表示されて定数計算モードに入る。
あとは、
B君 60 =45,000
C君 35 =26,250
と、掛け算する数字を入れていけば、定数「750x○○」と自動で判断して答えを出してくれる。
キーを打つ時間が半分になるので、楽をすることができるんだ。
足し算・引き算・割り算でもできる。定数計算
同じように「+、-、÷」でも同じ操作が可能だが、この場合の定数はあとで入力した数字が定数となる。
例題2)お小遣いをそれぞれに50円ずつ与える。A君100円、B君200円、C君、300円をもともと持っていた。合計のお小遣いはそれぞれいくらになるか?
この場合、
- A君 50+100 =150
- B君 50+200 =250
- C君 50+300 =350
としたいが、この順番でキーを打つと
- 50++100=150
- 200(+100)=300
- 300(+100)=400
と、あとから打ち込んだ数字が定数となる。(カッコ内は自動で計算される数)
そのため、計算順番は、
- 100++50=150
- 200(+50)=250
- 300(+50)=350
と定数をあとから入力しなくてはいけない。(カッコ内は自動で計算される数)
掛け算だけが最初に入れた数字が定数となると、違いがあるので注意しよう。
計算機によっては「定数計算」機能のないものや、操作が違うものがある。
カシオの計算機は上記の操作が主流だが、シャープの計算機は演算記号(+-×÷)1回の入力で常に定数計算となっている。
説明書を確認しなくても、簡単な計算で試してみればわかるので、自分の計算機がどういう操作で定数計算ができるか確認しておこう。
定数計算は、100均で販売されているような”安い電卓”でも利用できるものがあるゾ。
自分の電卓でも使えるのか調べてみよう(≧▽≦)
覚えると超便利!メモリー機能
電卓で使えるとめちゃくちゃ便利な機能が『メモリー機能』
複数の計算をするとき、答えを一時的に電卓に記憶させておくことができる。
こまかく説明するより、例題を見てもらった方が理解しやすいだろう。
例題3)A君は、時給750円のアルバイトで20時間、B君は、時給800円のアルバイトで60時間、C君は時給1000円で35時間働いた。それぞれの給料はいくら支払えばいいか?また、全員の給料の合計はいくらか?
この時、通常なら一人ずつの計算を行ってメモを取り、最後に合計するのが一般的。
しかし、メモリー機能を利用すれば、これが一度の計算でOKになる。
メモリー機能の操作
まずはA君の給料を計算する
750x20 ここで、『=』ではなく、『M+』のキーを押す。
画面上には『M』の表示が記され、画面上には答えの15,000が表示される。
M(電卓のメモリー)には今の計算の答えが記憶されているんだ。
続いてそのまま、B君の給料の計算に入る。
800x60 ここでも『M+』を押す。答えは48,000。
この時、電卓のメモリーでは、記憶されている15,000に48,000が加えられ、『63,000』が記憶される。
最後にC君の給料も計算してみよう。
1000x35 そして『M+』画面上の答えは、35,000
これで、それぞれの給料は計算できた。
A君15,000円、B君48,000円、C君35,000円。
単純に合計しても構わないが、答えはすでに電卓のメモリーの中にある。
メモリーの答えは『MR』
メモリーの中身は『MR』メモリーリコールキーで見ることができる。
MRを押すと、合計の98,000が表示される。
わざわざもう一度合計しなくても答えがわかってとても便利だ。
『M-』だとメモリー機能の数字から現在の答えの値を引くことになる。
また、『MC』キーは「メモリークリア」
電卓のメモリー内の数字を一度リセットするキーだ。
電卓によっては『MR/MC』もしくは『MRC』と一つのキーにまとめられている場合がある。
この場合は、1度押すとメモリーリコール、もう一度押すとメモリークリアになる。
メモリー機能は、実際の作業でもよく使う機能だ。覚えておくとすごく便利だぞ。
「AC」と「C」違いを知ってる?
電卓の計算した数字を消すボタン。『AC』そして『C』
この二つの違いわかりますか?
似ているようだけど、ちょっと違う。
この違いが判ると、計算機がすごく使いやすくなるぞ。
『AC』と『C』
同じようだが、使い方が違う。二つのキーの違いは、
『AC』がオールクリア(全消去)であるのに対し、『C』クリアは直前の入力だけを消す機能があるキー。
長い計算を入力している途中で、打ち間違えてしまった時は『C』を押すと、間違えて入力した最後に入力した数だけを消して、入力しなおすことができるんだ。
『AC』を押すと、最初の計算から全部消えてしまうから注意しよう。
ちなみに、メモリー機能『M+』『M-』で記憶されたデータは『AC』を押しても消えることはない。
状況に合わせて使い分けしよう。
電卓によっては、メモリーリコール/クリアのように、『C/AC』とキーが一体化している場合もある。
その場合は一回押すと『C』二回押すと『AC』と同じ働きとなるぞ。
『C』はメーカーによって『Cl』と表記される場合もある。
また『AC』もメーカーによっては独立メモリー内の数字も消去するなど、仕様が異なる場合がある。
自分の電卓がどのようなメモリを消すのかあらかじめ調べておくようにしよう。
あると便利な『▶』キー
すべての電卓に搭載されているわけではないが、『▶』キーも便利なキーだ。
『C』クリアキーだと最後に入力した数字はすべて消えてしまうが、『▶』キーは桁下げ。
表示している数の最小桁の数字を1桁ずつ消去することができる。
例えば、『1,234』と入力するつもりが、勢い余って『12,345』と入力してしまったとき、
『C』だと、0に戻ってしまうが、『▶』だと、最後の『5』だけが消され、『1,234』表示に戻すことができる。
一文字ずつ修正できるから、『C』よりさらに細かく修正が可能だ。
『▶』は『=』の後でも使用が可能。
『▶』の便利なところはまだある。
通常『=』を押した後の数字は変更することができないが、『▶』を押すことで、答えの桁を下げたり、小数点以下を削ったりすることも可能だ。
小数点以下の計算には『小数点セレクター』を利用しよう。
通常、計算機は割り切れない数字でも、画面に表示できる限界まで小数点以下であっても計算してくれる。
でも、そこまで細かい数字が必要じゃない場合もある。むしろ邪魔。
そんな時は『小数点セレクター』があると便利。
上の電卓では『F.4.2.1.0.ADD2』と、数値を選択できるレバーがついている。
『F』はフリー、普通の計算
通常の計算時は[F]に合わせておく。
この位置だと何も起こらない、フリーな計算。
数字は小数点以下の位置
4~0の数字は「少数点以下の位置」を表している。
例えば[0]ならば、画面には小数点以下の数字を「切り捨て/切り上げ/四捨五入」いずれかを行った答えが表示される。
「切り捨て/切り上げ/四捨五入」のいずれにするかは、左のラウンドセレクターで設定する。
『ラウンドセレクター』
「CUT_UP_5/4」は順番に、切り捨て・切り上げ・四捨五入になる。
小数点セレクターと合わせることで、小数点以下何を切り捨てるか、切り上げるかなどを設定可能だ。
『小数点セレクター』『ラウンドセレクター』は、電卓の種類によって項目が違うことがあるが、基本的な使い方は同じ。普段は[F]の項目に合わせて使用すれば問題ない。
ADD2(アドモード)計算
小数点セレクターの一番右端に『ADD2』というものがある。
これはアドモードと呼ばれ、日本ではあまり使うことはないが、ドル/セント計算などに便利な機能。
「2」の位置と同じようだが、こちらのモードでは、標準が小数点以下2位に設定される。
つまり、『1』と入力すると、それは『0.01』を入力したこととなる。
小数点セレクターの『2』はあくまで、計算結果の小数点以下第2位までを表示する機能だが、アドモードではすべての数字が『100分の1』として計算されることになります。
『GT』グランドトータルキーとは?
計算機の中には『GT』という機能を持つ電卓も存在します。
これは『M+』の独立メモリーとは別に『=』キーが押された答えを累計して記憶していく。
特に特別な操作を行わなくても『=』を押すと自動的に計算が行われ、計算結果をすべて累計していく。
一度計算を行って『=』をおすと、画面上には『GT』の表示が現れます。
計算終了後『GT』キーを押すと、今までの累計が表示され、もう一度押すと画面上のGT表示が消えて記憶された累計もリセットされる。
一般的には『AC』キーを押してもGTはクリアされない。
『GT』キーを2回押すことで初めてリセットされる。
計算前にはGT・Mともにリセットしてから計算を始めるのがおすすめだ。
謎のキー『MU』マークアップキー
搭載している電卓は少ないが『MU』マークアップキーというものがある。
主に売価計算に利用するキーなんだけど、メーカーによって仕様が異なり理解しにくいので、無理に利用することはない。
使いたい場合は、説明書をよく読んで、その電卓でどんな計算ができるのかを理解して使用しよう。
『MU』キーではなく、もっと利用用途がはっきりした「税込み・税抜き」キーなどを搭載している電卓の方が多いね。
『MU』の使い方
いろいろな使い方ができる分、操作を覚えるのが大変な『MU』キー。
いろいろな使い方を紹介しておこう。
何%増えた?減った?
この場合、
1000-1200『MU』で、『20』
これは「20%アップした」という計算結果。
逆に、
この場合は、
1000-800『MU』で、『-20』
これは「20%マイナス(20%引き)した」という計算結果になる。
ややこしいが、この場合200を先に入力し、
200+1000『MU』で、『120』
120%が答えとなる。
税込み計算
まあ、今は10%だけど、計算がわかりやすいように5%で計算するよ。
この場合、
2000+5『MU』 → 2100
答え、 税込2100円。
続けて再度 『MU』を押すと、
『MU』 → 100
この答えは、税額で増えた分が100円ということだ。
ちなみに、5%アップだけなら、『MU』ボタンがなくても、
2000+5『%』 → 2100
とすることもできるよ。
利益計算
結構便利なのが、この利益計算。お店経営されている方だと値段の設定に重宝するんじゃないかな。
やり方は、
700÷30『MU』 → 1000
700円に30%の利益を乗せるには、1,000円で販売すればいいということがわかる。
続けて再度 『MU』をおすと、粗利額を確認することもできるゾ。
『MU』 → 300
利益は 300円ということだ。
ここまでついてこれた人は何人いるかな??
『MU』はこのようにちょっとややこしい"(-""-)"
ひとつの使い方だけをマスターして、機械的に使用すれば、それなりに役に立つと思うよ。
計算機によって微妙に操作方法が異なる場合もあるから、一度説明書を読んで理解を深めておこう。
まとめ
電卓によって搭載しているキーに違いはあるが、100均の電卓でもメモリーキーくらいは、たいてい搭載されているので、しっかり使い方を覚えておこう。
今回紹介した電卓機能のまとめだ。
- 定数計算 :同じ数値を足したりかけたりを繰り返す際に使うと便利。
- 独立メモリー機能:答えを電卓に記憶させ答え同士を合計したり、削減したりする機能。
- クリアとオールクリア:最後の入力を消すか、すべてを消すか
- 桁下げ :数字を一桁ずつ下げることができる。
- 小数点セレクター:小数点以下を指定して答えを計算できる
- グランドトータル:『=』の答えをすべて累計し、その数を確認できる。
- マークアップキー:売価計算に利用できるが、使い方は機種ごとに異なる
『独立メモリー』と『クリアキー』の違いを理解するだけでも、計算機を使った場合の計算がすごく楽になるぞ。
これは、小学校の必修で覚えてもいいくらいの基本。
電卓を使用するなら、ぜひ覚えちゃってくださいね(≧▽≦)
おまけ
ちなみに私が使っているのは、画像でもちょこちょこ登場していた、カシオ「DH-120L」
12桁計算が可能で一通りの機能がそろっている電卓の中では最も安い(^_^;)
キー幅も広くて使いやすいんだけど、CASIO製のくせに、なぜか定数計算のキー操作はシャープ式
が採用されている不思議な電卓(^_^;)
始めて電卓を使う人は問題ないけど、カシオ式になれている人はちょっと戸惑うかも。でも使いやすいいい電卓ですよ~。