お金を管理するうえで、理解しておくべきものの一つに『銀行』がある。
誰もが子供のころ、もらったお年玉を「銀行に預けておくからね」といわれて親に回収された覚えがあるんじゃないだろうか。
今年もお年玉をいっぱいもらったぞ。あれとこれと、あれも買っちゃおう!
こらこら、無駄遣いはだめだゾ。パパが銀行に預けておくから渡しなさい。銀行に預けると『利子』がついてお金が増えるんだぞ。
ホント?!じゃあ預けるからいっぱい増やしてね!
お、おおう…まかしとけ。
銀行って何をするところ?
ねえねえ、なんで銀行はお金を預けるとお金が増えるの?
そうだね、じゃあまずは『銀行の役割』についてみていこう。
銀行の3つの役割
銀行には大きく3つの役割がある。
それが、以下の3つ。
- 金融仲介機能(お金を預かったり、貸し出したりする)
- 決済機能(口座引き落としで、直接お金を払わず支払いできる)
- 信用創造(お金の量を増やす)
一つずつ見ていこう。
金融仲介機能・預金(よきん)
一番身近な銀行の仕事が『預金』だよね。
私たちが持っているお金ですぐに必要でない分は銀行に預けておくのが一般的だ。
家に置いておくと盗難や紛失の心配があるが、銀行に預けておけば盗まれる心配はほとんどない。
預けとくだけでお金が増えるなんて最高だね!いっぱい増えるかな!
何でお金が増えるのかな?
銀行は預かったお金を、お金が必要な人に貸してあげるんだ。
貸してあげたお金を返してもらうときに”利息”をもらって、その一部を”利子”として預金にプラスしてくれるよ。
金融仲介機能・貸出し(かしだし)
銀行はみんなから集めたお金を、お金を必要としている人に貸し出している。
みんなの預けたお金をまとめて、大きなお金が必要な会社などに貸してあげることで、利息をもらっている。この利息が銀行の”儲け”になる。
銀行が貸すのは会社だけじゃない。高いものを買うときに一般の人も『住宅ローン』や『自動車ローン』という形で銀行からお金を借りることが多いよ。
銀行は貸し出す時は数%の利息を取るけど、預金につく利子は都市銀行の普通預金で0.001%程度。
これは100万円を1年預けてやっと10円増える程度の計算になる。
全然増えないじゃないか!!!
あ、ばれたか。
決済機能
銀行に預けているだけでお金が増えたのは過去の話。
パパが子供のころは金利が数%なんで時代もあったから、そのころなら銀行に預けておくだけでも結構増えた。でも今は銀行に預けたからといってお金を増やすことは難しい。
では、なぜ銀行に預けるかといえば、この『決済機能』を利用するためなんだ。
銀行に預けてあるお金は、所有者がお願いすれば銀行口座から直接支払いをすることが可能。
毎月定額の口座引き落としや、振り込み、クレジットカードの支払いにも銀行口座が必要になる。
最近は”キャッシュレス”といって現金を使わずに、クレジットカードを使った支払いが増えている。そういった支払いをするにも銀行口座が必要になるよ。
参考リンク→:こどもと学ぶ、クレジットカードの正しい使い方
信用創造
銀行は流通するお金の量を増やす働きもあるんだ。それを信用創造というよ。
日本でお金(お札)を発行できるのは”日本銀行”だけだけど、実は普通の銀行も、お金の貸し出しを行うことで、実質的にはお金を作り出しているんだ。
AさんとBさんが銀行に100万円を預ける。
銀行がCさんとDさんに80万円ずつ貸し出す。
すると、あら不思議。通帳に入っているお金を合計すると360万円になりました。
この時、現金は200万円しか存在しないけど、実際に自由に使える通帳の中のお金は360万円に増えている。
銀行が貸出すればするほど、お金の量が増えて経済がよく回るようになるんだ。
でも、預けた人みんながお金をおろしに来たら、お金が足りなくなっちゃうよ。
普通であればそれは起こらない。なぜならみんなが「銀行を信じている」から。
自分で持っているより安全だと考えているうちは、全員がお金をおろしに来るなんてことは起こらない。
でも、もし銀行が信じられなくなったら……
取り付け騒ぎとは?
もしもお金を預けている銀行が倒産しそうになったらどうする?
もちろん全部おろしに行くよ!ぼくのお金だ!
そう、だれもが自分のお金を守ろうと、銀行にお金をおろしに向かう。
でも、信用創造の欄で書いたように、銀行は預かったお金を貸し出してしまっている。みんなに返済できるほどの現金を銀行は用意していない。
すると自分おお金であっても、おろすことができなくなってしまう。
これを『取り付け騒ぎ』というよ。
これは銀行の不祥事や、経営悪化で銀行に対する『信用』がなくなった時に発生する。
過去の取り付け騒ぎの事件は「デマ」に世て引き起こされた事例も多いんだ。慌てて銀行に行く前に、情報が正しいのか落ち着いて考えることも必要だよ。
銀行にお金を預けたら、お金はどのくらい増える?
銀行に預けても全然増えないじゃないか。
普通預金は、ほとんど利子らしい利子がつかないけど、同じ銀行の中でももっと金利の高い預け方もあるんだ!
まずは、今までにも出てきた『利子』と『利息』と『金利』の違いについて確認しておこう。
どのくらいお金が増えるのかは、その銀行の『預金金利』を見ることで知ることができるぞ。
銀行預金のいろいろ、口座を作ろう
銀行にお金を預けるには、『銀行口座』を開設する必要があるよ。日本の銀行ではほとんどの銀行が口座開設・口座維持にお金はかからない。
どうせならおっきな銀行に預けたいな!「日本銀行」に口座作ってよ。
う~ん、日本銀行は個人の口座は作れないんだ。私たちがお金を預けられる銀行は『都市銀行』『地方銀行』『信用金庫』などだね。
銀行の種類
日本銀行は日本の中央銀行。
言ってみれば、銀行のための銀行のようなもの。
日本のお札を発行したり、銀行にお金を貸し出したりしている。一般人は利用することができないから今回は日本銀行について考える必要はないだろう。
参考→:日本のお札と日本銀行、未来のお金暗号資産(仮想通貨)とは?
都市銀行ってどんな銀行?
全国的に支店を持つ大きな銀行。
全国どこでも預金の「預け入れ」や「引き出し」がしやすく、サービスも充実している。
主に大企業にお金を貸し出ししている。
もちろん誰でも口座は作れるけど、主なお客様は大金持ちって感じかな。
ドラマ『半沢直樹』の勤めているメガバンクといわれるものが都市銀行だと思ってもらえばわかりやすいね。
地方銀行ってどんな銀行?
仙台だと77銀行、山形なら山形銀行など、その地域を中心に展開している銀行。
地元の企業などを中心に融資(お金の貸し出し)を行っている。
その地域内なら、支店やATM(お金をおろす機械)がたくさんあるから便利だけど、旅行先や引っ越しをするとお金をおろすのが大変になる場合があるよ。
信用金庫って銀行なの?
銀行のほかに『信用金庫』というものもある。
信用金庫も基本的な仕事は銀行と変わらないけど、主に地元の中小企業や自営業者にお金の融資を行う。
銀行のお金儲けではなく、みんなが安心して仕事をできるようにお金を貸してくれる”やさしい銀行”みたいなイメージ。
その他の銀行
このほか、身近なものとして『ゆうちょ銀行』がある。
昔は一般的な銀行より金利の高い時代もあったけど、今はほとんど変わらない。
でも、郵便局は日本中にあるからお金の預け入れ・引き出しを行うのは便利だね。
また、農業従事者は農協の運営する『JAバンク』などもあるけど、一般人がわざわざ口座を開設するメリットはあまりない。
ネット銀行って何?
銀行の中でも、実際の建物がなく、インターネットの中で銀行業務を行う形態を『ネット銀行』というよ。
有名なところでは 『楽天銀行』や『ジャパンネット銀行』などがあるね。
特徴としては、建物や人がいない分経費が掛からない。その分私たちの預金の金利を高くしてくれているんだ。
一般の銀行とネット銀行の金利の比較
- みずほ銀行の普通預金の金利:0.001%
- ゆうちょ銀行の普通預金の金利:0.001%
- 楽天銀行の普通預金の金利:0.02%
代表的な銀行だけを表示したけど、他の銀行も大体同じようなものだ。
普通の銀行に比べると、ネット銀行だに預けるだけでも、なんと!他の銀行の20倍の利子がつくんだ。
銀行を使うならこれからの時代はネット銀行がおすすめだ。
お金の預けおろしもコンビニで行えるぞ。
ネット銀行はさらにいろいろなサービスと組み合わせることで、さらに高い金利で預金することも可能だ。
これから銀行口座を作るなら、ネット銀行の口座を一つ作っておくのがおすすめだね。
銀行口座って子供でも作れるの?
ほとんどの銀行で年齢制限はないから、みんなの口座も作っておこうね。
無駄遣いしないで貯金頑張るんだぞ。
楽天銀行は2020年10月現在、こども口座のキャンペーンが行われているぞ。この機会にこども口座も作っておこう。